はじめに
Scientific Linux 7にOBS Studioをビルドしてインストールしたときのメモ。
普通はWindowsやMac OS Xを選ぶと思いますので、このページにたどり着いた読者はLinuxのインストールくらいは慣れているものとして執筆することにします。
なぜScientific Linux
他のOSやLinuxディストリビューションと比べて、サポート期間が長く、古いバージョンで固められていて安定していると考えられるため、Scientific Linux 7を選びました。
当時はまだCentOS 8が出ていな方ので、7が最新メジャーバージョンでした。
RPMでインストールするソフトウェア
OSは既にインストールできているものとして、以下のパッケージを追加でインストールします。
v4l2
ibus ibus-gtk2 ibus-gtk3 ibus-qt
mozc (fedora-19のレポジトリからもってくる)
v4l2は、アナログのキャプチャカードを使用する場合に必要です。mozcは日本語入力が快適なので... OBS Studioには必要ないです。
ソースからビルドするソフトウェア
1. FFmpeg
動画のエンコード・デコードツールの定番です。
$ git clone https://git.ffmpeg.org/ffmpeg.git
$ cd ffmpeg
$ mkdir b
$ cd b
$ ../configure --enable-gpl --enable-version3 --enable-nonfree --enable-postproc --arch=x86_64 --enable-libmp3lame --enable-pic --enable-libfreetype --enable-shared --enable-libxcb --disable-libmfx --disable-nvenc --enable-libpulse
$ make -j8
$ sudo make install
2. x264
GITレポジトリ
http://git.videolan.org/git/x264.git
からクローンして、ビルド・インストールしました。
3. OBS-Studio
$ git clone https://github.com/jp9000/obs-studio.git
$ cd obs-studio
$ b=b-$(date +%Y%m%d)
$ mkdir $b && cd $b && cmake -DUNIX_STRUCTURE=1 ..
$ make -j8
$ sudo make install
3.1. OBS-websocket
OBS Studioをインストールした後、OBS-websocketをビルド・インストールします。
OBS Studioのライブラリを読み込むので、OBS Studioをアップデートした後は忘れずビルドし直さなければなりません。
$ cd ../..
$ git clone https://github.com/Palakis/obs-websocket.git
$ cd obs-websocket
$ mkdir $b && cd $b
$ cmake -DLIBOBS_INCLUDE_DIR=../obs-studio/libobs -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local ..
$ make
$ /usr/lib64/qt5/bin/uic -o ui_settings-dialog.h ../src/forms/settings-dialog.ui
$ make
QTのバージョンのためか、CMakeがつくるMakefileの中で
uic
が流れていなかったので、手動で
uic
を実行し、再度
make
を流しました。
設定
AlsaとPulseAudioの設定
PulseAudioの設定で、サンプリングレートを48kHzに固定します。
設定ファイル
/etc/pulse/daemon.conf
に以下の設定を追加します。
default-sample-rate = 48000
このとき、代替サンプリングレート
alternate-sample-rate
を設定してはいけません。
例えば代替サンプリングレートを44.1kHzに設定していると、他のソフトを起動した際に44.1kHzに変更されてしまうことがあり、録音・配信途中で音声がずれてしまいます。
グループ設定
OBS Studioを使用するユーザに、グループ
video
audio
を割り当てておきます。
video
はV4L2のデバイスにアクセスするために必要、
audio
はもしかすると不要かも。
BlackMagicのキャプチャカードを使用するのであれば、
video
は不要です。
OBS Studioの起動
以下のスクリプトを用意しておき、このスクリプトでOBS Studioを起動します。
#! /bin/bash
export LANG=ja_JP.UTF-8
export LD_LIBRARY_PATH=/usr/local/lib:
export QT_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export GTK_IM_MODULE=ibus
exec /usr/local/bin/obs
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