スマートフォン (iPhone) のカメラで撮影し、NDIと呼ばれるプロトコルで、パソコン上のOBS Studioを経由してライブ配信する方法を紹介します。
最近のスマートフォンには高画質なイメージセンサーが搭載されることが多く、画角が広いことを除くと、ある程度綺麗な動画を撮影することができるようになってきました。 しかしながらスマートフォンのマイクはさほど良いものではなく、配信や記録しておくにはやや劣ってしまいます。 コンサートや礼拝ではオーディオミキサーを使用するでしょうから、PC上で音声をミキサーから取り込み、スマートフォンからの映像とあわせてライブ配信へと送ることを目指します。 もし複数のスマートフォンを使用すれば、設置場所を変えて複数のシーンを切り替えながら配信することもできます。
機材の構成
使用する機材を説明します。
- iPhone - NDI HX Cameraをインストールしておきます。 以前はAndroidのアプリケーション (NewTek NDI) もあったのですが、残念なことに、今はPlay Storeで入手できません。
- PC - Mac OS X, Windows, Linuxならなんでも良いです。システム要件を確認しておきましょう。もしIntelのCPU内蔵GPUを使用しているのであれば、インテル グラフィックス・コントローラーの対応APIからOpenGLあるいはDirectXのバージョンを確認すると良いです。
また、以下のソフトをインストールします。
- OBS Studio - 配信するために使用します。
- OBS NDIプラグイン - iPhoneから届くNDIの映像をOBSへ取り込むソースプラグインです。さらにOBSからNDIで送信するプラグイン (フィルターとアウトプット) も付属していますが、今回はソースだけを使用します。
- NDIランタイムライブラリ - OBS NDIプラグインが、このランタイムライブラリを使用してNDIのパケットを受け取ります。
- 無線LANアクセスポイント - iPhoneとPCとを同一のローカルネットに接続する必要があります。少なくとも802.11nに対応していると良いでしょう。よくあるルーター・ハブ機能付の無線LANアクセスポイントを使用しましょう。私はWZR-600DHPを使用しています。
Linuxでのインストール方法
- OBSのインストール方法 - 別記事で解説しましたので、こちらをご覧ください。近日中に、Centos8へのインストール方法を記事にしようと思っています。
- OBS NDI Pluginのビルド・インストールは、他のプラグインと同じで簡単です。
git clone https://github.com/Palakis/obs-ndi.git mkdir obs-ndi/build cd obs-ndi/build cmake -DLIBOBS_INCLUDE_DIR=$PWD/../../obs-studio/libobs -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local .. make sudo make install
- NDIランタイムライブラリのインストール - InstallNDISDK_v4_Linux.sh をダウンロードし、ファイルを展開、
libndi.so*
を/usr/local/libへコピーしましょう。他のファイルは不要です。あるいは、環境変数NDI_RUNTIME_DIR_V4
にライブラリへのパスを設定しても読み込んでくれるはずです。 - NDIは、Bonjourをつかって情報をやり取りするようです。Avahiを走らせ、ファイアウォールを適切に設定しておきましょう。
その他の参考情報
- Issue #448 - どうやら、音声にグリッチがのるなどの問題があるようです。iPhoneのNDI HX Camera側でオーディオをオフにしておくのがワークアラウンドになるようです。
- ゲーム実況で使うPCについて理解しよう - もしPCを購入するのであれば、参考になる情報だと思います。要は、高性能なCPUが望ましいですが、メモリーはさほどコストをかけなくて良いということです。
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